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- 作者: サマセット・モーム,厨川圭子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 文庫
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面白かった! 「お菓子と麦酒」「月と6ペンス」しゃれたタイトルに新潮文庫のグリーンの小粋な装丁のイメージから、いつか読んでみたいと思っていたモームの作品をやっと読むことができた。某所の読書会のおかげ。
最初のほうは話が進まないのでちょっとつらかったけど、後半は生き生きした筆致で面白くてどんどん読めた。物語の中の私を通してモームが語る文壇や批評家、作家を取り巻く人々に向けるシニカルな視線、一人称でこの作品を書いたことへのちょっとした後悔、モーム自身が自由に楽しんで書いた気がする作品。
私が若い時に恋をするロウジーは女の私からすると魅力的には見えないんだけど、近寄りがたい美人じゃなくて可愛らしくて情に熱い、ある意味男の人の理想のような女性なのかなと思いつつ読んだ。 でもラストで子供にまつわるロウジーの中の秘めた悲しみと、一緒に逃げて添い遂げたジョージへの思いが描かれたことによって、モームが表現したかった人間の奥深さが少し理解できた気がした。
他の作品も読んでみたいなぁ。