千年の祈り

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)

中国生まれの作者が英語で書いたデビュー作でたくさんの賞を受賞している作品らしい。
短編集だけれど、どの短編長編のような趣き。壮大で壮絶な中国の歴史が垣間見える。それがこの芳醇な物語世界を作り上げているのひとつの要素になっているのかもしれない。作者の筆は淡々としていて、時には飄々と、時には冷徹に思えるほど突き放した書き方がされている。著者が英語で書いたということにも関係があるのだろうと思う。「あまりもの」「不滅」「ネブラスカの姫君」「市場の約束」「柿たち」「千年の祈り」が好き。