太陽と毒ぐも

太陽と毒ぐも

角ちゃん、上手いなぁ!
共感できるような出来ないような、嫌悪感すれすれの、この微妙な感覚。
これこそ角ちゃんの真骨頂なのだと思う。

パートナーのこだわり、癖、他人から見るとなんでもないようなことが
どうしても許せない。そういうことって結構あると思う。

そういう不満を持った恋人達が描かれているのだけど、
その不満の持ち具合にものすごくリアリティがある。
不満を言ってる彼、彼女と一緒になって
「そうだそうだ、そいつは変だよ!別れた方がいいよ」などと思って読んでしまう。
でも、彼、彼女は「でもやっぱり好きなんだよね」と相手のところに戻っていく。
(別れてしまうカップルもいるけど)
結局のろけられただけかぁって、肩透かしを食らった気分になるけれど、
あとにはほんわかした気持ちが残る。

やっぱり、愛だよなぁ、愛!なんて言いたくなる素敵な短編集。