死体はみんな生きている

死体はみんな生きている

面白かったー!と言っては不謹慎なのだろうか。これは一冊まるごと死体の使われ方の本なのだから。手術の練習台、車の衝突実験台、腐敗の研究材料、弾丸衝撃実験台、はりつけ実験台、そして臓器移植。さまざまな死体の活用法を取材している。死体と解剖学の歴史というようなものから突撃レポートといえるようなものまで幅広くとても興味深い内容だ。笑ったり感心したり眉をひそめたりしながら読みふけった。読み進むにつれ著者や現在死体にかかわる仕事をしている人たちの死体に対する敬意を感じ、いつのまにか自分は死体になったら何ができるのか何をしたいのかと考えていたりするのだ。

しかし翻訳はダメダメ。日本語としての文章の流れが悪いし、著者のユーモアのある文章が生かされてなくてぎこちない。