四人の女

四人の女 (創元推理文庫 (164‐3))

四人の女 (創元推理文庫 (164‐3))

前妻、現夫人、フィアンセ、それに愛人――人気絶頂のコラムニストをとりまく四人の女性。彼はひそかに自宅のバルコニーの手摺に細工した上で、四人をそろって招待し、ある晩、ディナー・パーティを開いた。彼には、その中の一人を殺さねばならない動機があったのだ……! 一作ごとに趣向を凝らす才媛が、被害者捜しの新手に挑む傑作!

id:juice78さんのレビューを読んで手に取った本。とっても面白かった!

冒頭、高層マンションから人が落ちて亡くなります。亡くなった人は誰?という、被害者探しのミステリ。なるほど!と感心してしまう逆転の発想。読み始めると、誰がキーパーソンなのかはすぐにわかってしまうのですが、この作品の読ませどころはそのミステリ部分ではなくて人物造形にあるので退屈することはありません。タイトルである「四人の女」達、そして愚かな男の心理、立ち居振る舞いが映画を見ているようにはっきりと想像できるのです。どんどん引き込まれて、あっという間に鮮やかなラストへ。一気読み必至です。