雨にぬれても

雨にぬれても (幻冬舎アウトロー文庫)

雨にぬれても (幻冬舎アウトロー文庫)

アルコール依存症で兄を亡くした弟、二人で頑張っていたが社長に自殺された女性、戦争中、学校に行けず夜間中学で字を学びなおす六十九歳の老人、家族を捨てホームレス生活をしながら夢を追い続ける四十二歳のお笑い芸人。人々の「生きる」姿にきっとあなたも励まされる。思わず涙が出て心がスッと軽くなるコラム・ノンフィクション待望の第三弾。

枕元においておいて一編だけ読む、というようなことを繰り返し、非常に長い期間にわたって読んだ本。普通の人々、どちらかというと不器用な生き方をしている人、ドロップアウトしかかった人、に焦点を当てたコラム。人々を先入観無しにまっすぐ見る、でもどこかにあたたかさのある書き方で、人々の生活が浮かび上がってくる。ヘビーな状況の人もいるけれど、その人の生きていく力のようなものを感じ取ることが出来て、励まされたような気持ちになる。人生は本当に色々で、いいことばかりではないけれど、やっぱり生きていかなくてはならないのだ。そこに意味なんかなくっても。