ここが家だ

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸

「ここが家だ」には衝撃を受けた。第五福竜丸の事件。この事件についてはほとんど何も知らなかったので、そのことをとても恥ずかしく思う。39ページの悲しみの色で染められたベン・シャーンの絵のあとの


「けれど わすれるのを じっと まっている ひとたちもいる。」


という一文がなんというか、本当にぞっとするような恐ろしさで私の胸に突き刺さる。知らなければならない。忘れてはいけない。「平和」という言葉は大きすぎて身近に捉えることが出来ないような気持ちになることもあるけれど、ベン・シャーンの語った「私たちみなを書こうとした」という言葉どおり、「平和」でなくなるということは、この日常生活を突然、理不尽に奪われるということなんだなと改めて思った。