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- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973/03/29
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- 作者: 松本清張
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文庫で上下巻あるので構えて読みましたが、
会話文が多く一文が短いのでサクサク読めました。
〜〜〜〜〜以下ネタバレあり〜〜〜〜〜
後半犯人が発覚するまでの目くらましというのか、
読者の視線を関川が犯人じゃないかと思わせるように仕向ける記述がわざとらしすぎる。
ここまで犯人っぽく書かれると逆に「この人は犯人じゃないのね」と思ってしまう。
それは私がひねくれた感性の持ち主だから?
一番気になったのが捜査をする今西刑事が
犯人にまつわる重要な人物に目をつけるきっかけがほとんど偶然であること。
関川や和賀の愛人が近所に住んでいたり
和賀や関川に目をつけるところとかちょっとでき過ぎ。
地道な捜査の描写なんかはとても迫力があるのに、
結局そういった偶然でしか犯人にたどり着けないなんてちょっと・・・。
そして、後半の謎解き部分。
戦争やライ病がキーポイントになっているのは時代のせいで、まぁ納得できる。
でもそれ以前に面白くないよ!
それまでの地道な捜査の描写とは全く違って
「さぁ、今からトリックを説明しますよ〜!」って感じ。
今西刑事の心理なんてもうどこかに行っちゃってるし、
関川はいつのまにか取調べを受けて自供しちゃってるし。
関川に関しては必死に愛人の存在を隠している記述があったわりにあっさりしすぎ。
そうとはいえ、松本清張は社会派ミステリーの草分け的存在。
まだまだ作風に試行錯誤の後があってもそれはしょうがないことなんだろうな。