発芽

発芽

「ウフ・」で連載されてた「発芽」「愚天使昇天」「無精卵」と
書き下ろしの「観覧車」の4編を収録。

いや〜、これは面白かった!
これから追いかけていきたい作家さんだわ。
姫野カオルコ斉藤綾子角田光代を足して割ったみたい。

クリトリスが発芽するなんて奇天烈な出来事がおこり、
文章のリズムや造語も奇妙で独特なんだけれど、
実はオンナの孤独や性に関する普遍的な思いを描いている。
読み終わるとなんとなく切ない気分になってしまい、
「あれ?こんな切ない話だったっけ?」って感じ。

割とまっとうな感じの書き下ろし作品もなかなか良いけど、
個人的には「ウフ・」に連載されてた3編みたいなものをもっと読みたいな。
登場人物が皆似た感じになるのがちょっと辛いかもしれないけど。
でも、こういうの好きだ。