夜は満ちる

夜は満ちる

生と死、夢と現の境界線が曖昧になったホラー的要素のある幻想的な短編集。

ホラーはあまり読まないので良くわからないのだけれど、難しいジャンルなのだろうなと思う。
ホラーにもいろいろあるのだろうけれど、この短編集は幻想と官能と現実の女の感情を盛り込んでいるので、ストーリー展開に多少無理があるものがあるように思う。
それでも充分に幻想的な雰囲気と背筋がゾクッとするような不気味さは味わえた。

小池真理子の文章には華がある。
ホラーですら優美な雰囲気が漂っている。
これまでほとんど読んでこなかった私ですら、幻想的な世界や恋愛を書かせたら彼女の右に出るものはいないのではないかと思うほど。

今度は恋愛ものを読んでみよう。