溺れる市民

溺れる市民

読んだ。久しぶりの読了本だわ。雑誌やら新聞やらの活字はちょこちょこ読んでいるんだけどね。

装丁の版画に惹かれて手にとった本。
「眠りが丘」という郊外の住宅地にすんでいる人たちを描いた短編集。一つ一つの話に繋がりはないけれど全体の雰囲気は統一されていて、郊外(昔で言うならニュータウン)の味気無さ、倦怠感、退屈といったようなものが伝わってきて息苦しくて、滑稽。ブルーグレイな短編集。「美脚に捧ぐ」「幻の女優」「オナニスト一輝の詩」「燃え尽きたユリシーズ」が好み。