漢方小説

漢方小説

第132回芥川賞候補になった作品。芥川賞の基準ってやっぱり良くわからん。
ま、そんなことはどうでもいいんだけど、これは立派な「負け犬小説」。31歳のみのりは元彼の結婚の知らせを聞いてから体調不良となる。ストレスが原因だと認めたくないみのりが医者を転々とした挙句行き着いたところは漢方医だったということで、漢方と漢方医に癒されながらプチ自分探しをするお話。
これアマゾンではかなり高評価なんだけどそんなに面白くなかった。31歳で自分探しをしているみのりはリアリティがあるけど、やっぱりそれだけではねぇ。リアルな中に何かもうひとつほしいなという感じ。こういう人物を書かせたら角田光代のほうが断然上手いし面白い。それに東洋医学に関しての感覚がちょっと古くない?もう西洋医学だけを信奉しているような時代はとっくに終わっていると思うんだけどなー。癒されるっちゃ癒されるけど、とにかくなんとなく物足りない小説。
辛口かな。でも漢方や中医学に関しての蘊蓄は面白かったので参考文献は読んでみようかな。