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- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
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9つの本にまつわる短篇を収録。
うん、結構いい本だと思う。どれも本にまつわるストーリーなので本好きであれば満足できそう。「だれかのいとしいひと (文春文庫)」に似た雰囲気で角田度はちょっと低めなので、角田光代ファンには少し物足りないかもしれない。で、私はどうかというと(ちなみに私の立ち居ちはファンとも言い切れないしファンでないとも言い切れないというところ)、まぁまぁかなってところ。角田光代らしさ、みたいな部分を私はそんなに好きではないし、この作品は本にまつわる短篇ばかりということで、それだけで結構満足した。でもなんというか、一週間経ったら忘れそうな本だという印象(実際にもう忘れかけている)。
あと、作者の金銭感覚なのかな、細かい部分が気になっちゃった。「ミツザワ書店」で
新人賞の賞金は五十万円だった。二十七歳のぼくにとってそれはものすごい大金に思えたのだが、
という部分があるんだけど、50万円がものすごい大金だと思う理由が、「ぼく」の個人的な経済事情じゃなくて、二十七歳という年齢だということに違和感がある。18歳とかならわかるんだけど。
そのくせ、「初バレンタイン」では21歳の大学生が付き合い始めて2ヶ月、初バレンタインデートで店員の営業に負けて20万円近くする指輪を買ってプレゼントしてしまう。それがきっかけでなんとなく気まずくなる設定だから多少高いのはいいんだけど、ちょっと極端な気も・・・。
あぁ、それからあとがきは正直、ウザイと思いました。多分私、角ちゃんとはお友達になれないと思うわ。でも、小説は嫌いじゃないのよ、ホントに。