楽で元気な人になる 

楽で元気な人になる (中公文庫)

楽で元気な人になる (中公文庫)

私に似合う服がない?ぴったりの家電がない?ここぞという時に、ストッキングは破れ、美容院では凡庸な接客にのせられ、ついには「専業主婦」になりすます!いつも裏目に出ても無難な生き方にはおさらばしたい。「結婚しない」を決めたわけではないけれど、「恥の心を捨てずに、しなやかに、したたかに生きる」。でもこれって結構大変。

もともと岸本葉子さんのエッセイが大好きだった。虫垂癌で手術をされて闘病記のようなものも出されるようになってから、書くものがそれ以前とは変わっててしまったのではないかと思ってなかなか手を出せずにいたのだけれど、それは杞憂に終わったみたい。相変わらずささやかな日常の出来事を軽妙に書かれていて、とても楽しく読んだ。軽妙なんだけど軽くはなくて、堅苦しくはないけれどきちんとした文章がとても心地よい。フランス料理の後のお茶漬けみたいな読み心地。