ジェイン・オースティンの読書会

ジェイン・オースティンの読書会

ジェイン・オースティンの読書会

女性5人と男性1人の計6人。オースティンの読書会に集まる男女が織りなす、悲喜こもごもの人間模様…。手法は新鮮、語り口はひょうきん。精緻な観察と皮肉に満ちた、全米ベストセラーの傑作長編

ジェーンオースティンに対する愛情がいっぱい詰まった一冊。とはいえ、オースティンの作品を読んでいなくても十分楽しめる。もちろん6作品を読んでいる人ならもっともっともっと楽しめることは間違いないのだけれど。ちなみに私は「エマ」「分別と多感」をずいぶん前に読んだだけ。

オースティンフリークの女性4人、やや批判的な女性1人、SF読みでオースティンを読むのは初めてという男性が1人の6人での読書会。それぞれが胸に抱くオースティン作品を語りつつ自分の人生に思いをゆだねる。読者である私も語り手の私に誘われるようにメンバーの仲間入りを果たす。月日が流れ、メンバーそれぞれの中に新しい7人目のオースティン像が出来上がり人生も緩やかに動いてゆく。ラストはほんわかとハッピーエンド。読後はオースティンの小説と同じく高揚はないがゆったりとした満足感に浸ることができる。また、そしてもっとオースティンを読みたいと思った。

中にはオースティンの熱狂的なファンや批評家に対するちょっとした皮肉や著者の経歴を取り込んだユーモアが盛り込まれているのも楽しいし、巻末にはジェーンオースティンの6作品の解説や古今の批評を集めたもの、「ジェイン・オースティンの読書会」を読書会に使うときのためのおまけなどもつけられていて、これがまた興味深く面白い。