まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集!

とっても面白かった!
つらい過去を引きずりながら、便利屋で日銭を稼ぎ何とか生きている、多田。そこに転がり込む、不思議な男、行天。二人がきな臭い事件に巻き込まれながら、それらをなんとなく解決していく。でも実際のところこれらの事件はどうでもよくて、とにかく多田と行天、二人の中年男の関係性が中心。物語の中で行天とのかかわりで多田には成長がみられカタルシスも得られるように作られているから、この物語から何か主題を読み取ろうと思えば読み取れるのかもしれないけど、そんなことはせず、純粋に楽しんで読みたい作品。ちゃんとBL好きにはたまらない設定にしてあるし。著者が書きたいことを楽しんで書いたといった雰囲気だ。それでも文章も構成も抜群に上手くて、そこらへんはしをんちゃんだなぁという気がする