ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

文句のつけどころはいっぱいある。ミステリーじゃなくてオカルトだとか、主役である田口と白鳥の影が薄すぎるとか、女性の描き方が類型的を通り越して古臭いとか、キーパーソンの小夜の行動にまったく共感できないのでカタルシスが得られないとか、解剖ってそんな簡単にできんのか?とか、著者がこの物語の切なさに酔いすぎの感があるとか・・・。
それでもやっぱり、一気読みしてしまうほど面白い。文章が読みやすくて、医療の現場の描写にリアリティがあって、それとは反対にキャラクターはしっかり作り込まれているからなのかな。今回は「バッカス星人」という、小技も効いてたし。エンタメとしてはとても良く出来ている。次に続きそうな伏線もあるし気になるから、きっと次が出たら読んでしまう。でも、次もこのくらいのクオリティだったら、その次は読まないかも。