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螺鈿迷宮

この病院は、あまりにも、人が死にすぎる――
日本の医療界を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」から一年半。その舞台となった東城大学に医学生として通う天馬は、留年を繰り返し既に医学の道をリタイア寸前だった。ある日、幼なじみの新聞記者・葉子から、碧翠院桜宮病院に潜入できないかと依頼を受ける。東城大学の近隣病院である桜宮病院は、老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化させた複合型病院であり、終末医療の最先端施設としてメディアの注目を集めていた。しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は葉子の依頼を受け、看護ボランティアとして桜宮病院に通い始める。そのうちに、奇妙な皮膚科医・白鳥と看護師・姫宮と出会うことになり……。

バチスタシリーズ？の番外編のような位置付けの作品。前作「ナイチンゲールの沈黙」よりはこちらのほうが好き。前作はやっつけ仕事という感じの粗が見えたけど今作は気にならなかった。
作者の主義主張が強過ぎる。言葉の使い方が大仰でナルシズムを感じる。ミステリーとしては弱い。キャラクターに頼りすぎ。といったような、突っ込みどころはたくさん存在するけれど、それなりに読めてそれなりに楽しめるという感じ。