銀のロバ

銀のロバ

銀のロバ

二人の少女が戦争から逃げ出して森に潜んでいた兵士をみつけ、彼を家に帰そうとする物語。そのなかで兵士が語るロバにまつわる3つのお話。


年長者が語るお話、秘密、冒険、勇気。子供の好きなものがいっぱいつまった物語。(もちろん、子供だけでなく大人のわたしも盲目の兵士の語る物語に夢中になってしまったのだけれど。)子供の好きなものがいっぱいつまってるといっても、けして甘いわけではなく、むしろシビアな状況下の物語なのですが、読後感がとてもさわやかでした。


一番気に入ったところは、子供たちのキャラクターが生き生きとしていて嘘がない所。子供たちが兵士の役に立とうとするのは兵士のためでもあるけれど自分たちの冒険欲を満たすためでもあったり、戦争をかっこいいものとして捕らえてしまうようなところは本当の子供たちを良くあらわしていると思います。
坊がもうちょっと大きくなったら読んでもらいたいな。