アイリス [DVD]

アイリス [DVD]

「アイリス」。ケイト・ウィンスレットが観たくて買っておいた積みDVDw。
アイリスの若い時を演じるケイトも良かったけど、現在のアイリスを演じるジュディ・ディンチがすごかった!アルツハイマー病を発症して症状が進行していく様を、とてつもなくリアルに演じている。 「英国で最高」と言われるほどの知的でユーモアのある魅力的な女性がどんどん言葉と表情をなくしていく。 それを支える夫のジョン。 きれい事では済まない、葛藤に満ちた日々。 それでも愛することをやめないジョン。そんなジョンを演じるジム・ブロードべンドもまたすごい。
現在を描くかたわら、ジョンの回想として、アイリスに迫ってくる幻として、若かった二人が描かれる。ケイトとヒュー・ボナヴィル演じる若い時の二人が生き生きと輝くほど、失われたものの大きさが観ているものに伝わってくる。
素晴らしかったけれど、一度観ただけでは理解しきれないかも。アルツハイマーという病気の恐ろしさ、失われるものの大きさ、介護をするものの葛藤は十分に伝わってくる。痛々しくて辛い。 でも、若い時の二人の愛、その先にある二人の愛は、演じた人たちのインタビューをきいて、一つ一つの場面を反芻して初めて気が付くというか、そこに初めて思いが至ったというか。

でもこれは映画慣れしていない私のせいかも。文章を読むと、自分のペースで思いを馳せながら、解釈しながら読んでいけるけど、映像を見るとペースは決められているし、ストーリーは追わなくちゃいけないし、なので、本当に伝えたいテーマにたどりつく余裕がないのかもしれない。 それでも、観たあとに、これだけの余韻を残し、作品のテーマに思いを馳せる時間をくれるこの作品は素晴らしいのだと思う。

しかし、ケイトはやっぱり素晴らしい女優だなぁ。スクリーンの上が最も輝いて見えるもの。

あと、現在のジョンと若い時のジョンを演じたジム・ブロードべンドとヒュー・ボナヴィルはそっくりだと思ったけど、特典映像を見るとちっとも似てなくて驚いたよ!