女という病

女という病

女性がかかわった13の事件を中村うさぎが読み解く。中村うさぎの目から見た13の事件の女達の特徴は自意識が異常に肥大しているということだ。異常とはどこからが異常なのか、あなたの自意識は異常でないといえるのか・・・。中村うさぎは考える。事件の女達と私は紙一重。買い物、整形、ホストに依存する私。私は何を求めているのだろうか?


あー、もうわかったわかった!中村うさぎの言いたい事は良くわかった。でも実際そうなの?その行動には本当にそういう意味付けができるの?本当はもっと単純なことかもしれないよ。


これは犯罪実録物のノンフィクションとは違って、あくまでも中村うさぎ視点から見た事件の姿だ。事件の内容そのものがあまりにも中村うさぎの想像で埋められてしまっていて、どの事件の章を読んでも中村うさぎのエッセイのようにしか思えない。中村うさぎの本はいくつか読んできたけれど、そこから感じるのは彼女の真面目さ。いつも自分に向き合おうと必死になっている。あまりに必死なので、人の話を聞いても他人のことを書いても、すべて自分のことに照らし合わせてしまう。文章にするとすべて自分のことを書いたようになってしまう。その真面目さ健気さ痛々しさにに心は動かされるけれど、正直、もううんざりだ。