私という病

私という病

私という病

「ああ、お願い。誰か、私に欲情して。」女としての価値を確かめるため、私はデリヘル嬢になってみた。東電OLは私だ、と感じた女たち。女が分からない男たち。性に悩む全ての読者に捧げる究極の私ドキュメント。


加齢とともに増えつつある皮下脂肪。おかげで何を着ても似合わない。そして、しみ、しわ、たるみ。お化粧をしなくちゃ外に出られない。お化粧してもなんとなくぱっとしない。毎日、着る服に悩む度、化粧をする度に「あぁ、女じゃなかったらよかったのに」と思う。何歳になったら、こういう気持ちから自由になれるんだろうって。鏡の前で着る服に悩んだり、化粧のノリを気にしたり、若くて細くて綺麗な人と自分を比べたり。オットが私に無関心なのは私が女としての賞味期限を過ぎているからだと感じたり。女は若くて綺麗じゃなきゃだめなんだよね、やっぱり。醜いのは罪なのよ。って気持ちが私にもある。女が女であることを困難であると感じること。そういう気持ちを私なんかよりもっともっと切実に持っているのが中村うさぎなんだろう。

中村うさぎはいつも自分に問いかけている。なぜ自分はそういう気持ちになるのか。何を求めているのか。どうすればその答えが出るのか。その答えを出すために文章を書いている。そんな中村うさぎの思いが込められた、渾身の一冊といっていい本。いつも痛々しくて、もうやめて!って思うけれど、やっぱり目が離せない。前回読んだ「女という病」とは違って、自分自身の体を使って得たものを書いているだけに、ものすごい迫力を感じる。やっぱり中村うさぎは「実体験主義者」なんだ。次はいったいどこへ行くのか。中村うさぎに安息の地はあるのか。男と女がいる限り、彼女の戦いは続くのだろうか。