19歳 一家四人惨殺犯の告白

19歳 一家四人惨殺犯の告白 (角川文庫)

19歳 一家四人惨殺犯の告白 (角川文庫)

フィクションぽいノンフィクションだと感じた。淡々と事実だけを積み上げていくタイプのノンフィクションにするには情報量が足りないのだろう。それは、著者が、自分の見たいものしか見ていなかったからかなと思う。暴力と貧困の中に育った冷酷な殺人犯が接していくうちに悔い改める、というようなストーリーを期待していたけれど、犯人は著者に対して、そういった態度を示さない。だから結局、理解不可能なモンスターだったと結論付けるしかなかったという感じがした。著者はこのあと、この事件を題材にフィクションを書いているらしい。そちらが著者の見たかった事件の真実なのだろうと思う。


本書の中であげられていた本の中で読みたいと思ったもの。

犯人が救いを求めたエホバの証人についてのルポ。
説得―エホバの証人と輸血拒否事件 (講談社文庫) 

死刑囚の生活と心理が描かれている小説。
宣告 上 (新潮文庫)宣告 中 (新潮文庫)宣告 下 (新潮文庫)